2007年-東南アジアの旅 (カンボジア-アンコール遺跡-小回りコース)

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サンライズを観に行く。その強い思いが通じたのか、普段は目覚し時計をセットしていてもなかなか目覚めないのに、今日はきっかり4時に目が覚めた。しかも、目覚し時計がなる前に。奇跡だ。ちなみに、目覚し時計は携帯電話のそれを利用している。海外ローミングサービスが使えると目論んで持ってきたにも拘らず、なぜか使えず、こうして別の用途で使われている。しかも、地味に役立っていたりするから心強い。サッと支度をし、外に待たせてあったトゥクトゥクに乗り込む。午前5時前5分。バイクタクシーでも良かったんだけどね、昨日のトゥクトゥクの運転手さんにめんどうくさいから引き続き今日もお願いすることにした。

昨日に引き続きのアンコール・ワット。そして、昨日訪れた時以上の人の多さ。おいおい、まだ朝の5時半ですよ。あんたらやる気やな。そんな連中に負けじと、素敵な場所を確保するべくアンコール・ワット中央塔へ続く石畳を歩く。しかし、ここでひとつの問題が発生する。太陽がどこから昇るかわからない……。何となくだが、アンコール・ワットの方角から昇るんだろうなぁ、ということは予測がつく。では、その正確な位置は? それがわからない。そして、それがわからないと良い立ち位置を把握できない。アンコール・ワットに向かって歩きつつ、後ろを振り返る。みな、アンコール・ワットからは程遠い壁面に座っていた。もしや、あそこがいちばん見える位置? しかし、あそこからでは明らかにアンコール・ワットは遠すぎる。ぐつぐつ頭の中を煮立たせている間に、なにやら人が引きだした。おや? と思う。十数分後には、周りの人は半分くらいに減っていたように思う。見上げる空は明るく、雲の中を太陽が昇っていることが容易に想像できる。渋々、人の波に従い、僕も退散する。そして、アンコール・ワットにつながる石橋を渡りきったとき、やっと太陽の姿が見えた。うん、高すぎだね。アンコール・ワットの合間から見えていれば、もっと盛り上がるんだろうな、そう思いつつ、再びトゥクトゥクに乗り込んだ。

さて、今日はアンコール遺跡群の小回りコースを行く予定。小回りと言っても、それはなんだ? って話ですよね。簡単に言うと、アンコール遺跡群は、アンコール・ワットがひとつ基軸となり、アンコール・トムへとつながる。そのアンコール・トムから、タ・ケウ、タ・プローム、バンテアイ・クディなどを見てまわるコースが小回りコース、プリア・カン、ニャック・ポアン、タ・ソム、東メボン、プレ・ループなどを見てまわるコースが大回りコースとなる。今日は、代表的な小回りコースの各遺跡とほんの少しマイナーな遺跡を見る計画を立てていた。

サンライズからG.Hに戻り、軽く朝食を済ませる。トゥクトゥクの人との待ち合わせは9時。それまで、ちょこっと遺跡の予習をして、いざ出陣! まずは、アンコール・トムのバイヨンを目指す。やり取りに慣れきった料金所を通過し、アンコル・ワットを横目に見つつ、アンコール・トムの南大門に入っていった。南大門から1キロメートルほど進んだところにバイヨンはあった。やはり、観光客が多い。バイヨンもアンコール・ワットと同じく、第一回廊に画が掘られている。ただ、ひとつ違うのはバイヨンの第一回廊には天井がないこと。雨ざらし状態である。保存の点で、これは大丈夫なのか、と危惧する。ゆっくりと見てまわる。ツアー客はルートが決められているのか、僕の見て回るルート(その場即興で決めたルート)に誰もいなくなることが頻繁にあった。日陰で、うん百年前の石に腰掛けて水を飲みつつ、ぼーっとする。ほとんど人が現れないので気楽なものだ。バイヨンの中で、ガイドブックを読んで少しずつ知識を蓄えてみるのだが、ここで予習はさすがに遅いよなぁ、とふと思う。

バイヨンのあとは、適当にバプーオンの方向に進む。徒歩で移動する人はほとんどいないのだろうか、なんだかとっても浮いている。浮いていると言えば、空中参道だ。パブ―オンまで続く道は、ただの石橋ではない、円柱石列に支えられた参道なのだ。地震とか起こったらひとたまりもないだろうなぁ、なんて思いつつとぼとぼと歩く。人が少なく、ゆっくりと歩くことができる。ふと空を見上げると太陽がまぶしい。今が雨季なんて本当に信じられない。カンボジアに渡って、まだ一度も雨に出会っていない。それはそれで運がいいのだが、変に身構えている分、肩透かしを食らったような気分でもある。

象のテラス、ライ王のテラスをぐるりとひとまわりし、現地の子供に写真を撮ってと追いかけられ(写真を撮ったら1ドルを請求される)、その後、トゥクトゥクに乗り込み、タ・プロームを目指した。タ・ケウはスルー。タ・ケウはタ・ケウで相当有名なのだが、まぁスルーは何となく気分の問題。タ・プロームは個人的に甘く見ていた。アンコール・ワット、アンコール・トム(バイヨン~パブーオン)と超代表的な遺跡を見てきたため、どこかで油断があったのだろう。いやいや、素敵に覆されましたよ。木に覆われた遺跡、陽が輝いているだけに、その木々の葉が暑さをきれいに緩和してくれた。木の根は石壁を包み込み、一体化していた。どこかで見た光景……、そうそうラピュタだよ、ラピュタ。実は、このラピュタ思考、後日のキーワードになってきます。

タ・プロームで涼んだ後、バンテアイ・クディとお決まりのコースを回る。そして、最後にプラサット・クラヴァンを訪れた。この遺跡はとても小さい。でも、ぜひ訪れてみたかった。その理由は、ラクシュミーを見たかったから。美と豊穣と幸運を司る女神、ラクシュミー。どこでこの名前を知ったんだっけな。まぁいいや、いそいそと自分の目でしっかりと見ることにしよう。小さい遺跡のせいだろうか、本当に誰もいない。陽が少し傾きかけていることもあり、不気味な雰囲気を醸し出している。そのような高揚心の中で見るラクシュミーはまた別格だった。小さい個室の内壁に描かれているため、外の世界とは遮断された空間で浮き彫りを眺める。

G.Hに着いたのが17時過ぎ。明日は、ベンメリアのツアーに参加するため、明日のトゥクトゥク利用を断ると、運転手の兄さんが「じゃあ、明後日ね、明後日」とせがんできた。明後日はバイクタクシーを借りるつもりだったので、即断る。すると、「じゃあ、今から俺の母さんと妹が勤めるショッピングセンターに連れて行くから、そこで好きなモノを買いなよ」と言ってきた。どうせ、母さんとか妹とか嘘だろ、ってことで、もう岸辺露伴なみに断る。諦めたのか、意外にもすんなりと引き下がってくれた。まぁ、なんだかんだで1日半お世話になったので、最後は握手をしてわかれた。

夕食で、見知らぬふたりがいた席に「そこいいですか~」と声をかけ座る。そして談笑。聞くと、ふたりとも九州大学という。ってことは……、ビンゴ! 出身地は福岡と佐賀、僕は熊本! 狭いところで九州人大集合である。昨日の件といい、九州人の多さに少しびっくりする。そして、ついついお約束のことを聞いてみた。「高校野球で出身地の県が負けても、他の九州の県を応援するよね?」。答えは「YES」。ふたりとも明日のベンメリア行きを共にすることになった。

-海外旅行, 東南アジア(タイ,カンボジア)(Sept. 2007)
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